SAS Software Depotの罠
SASをインストールする際、現在ではSAS Software Depotというものを使ってインストールすることが多くなりました。
以前はCDを10枚以上入れ替えたりしていたことを考えると、大変楽チンです。
SASのインストールディスクについては、メディアを希望すればDVDメディアが、ダウンロード形式を希望すればESD(ESD:Electronic Software Delivery)形式で入手することができます。
このダウンロード形式はメディア管理も不要でいきなりSoftware Depotの形式になるので扱いやすいのですが、罠が仕掛けられているので注意が必要です。(最近になってダウンロード回数制限が追加されたようです。M7だけなのか、M6以前も含めた全体でなのかは分かりませんが)
まず、ダウンロードにはSAS Download Managerが必要です。
SAS Download Managerを実行すると、オーダー情報を入力する画面が表示されます。
続いて、ライセンスされているプロダクトが表示されます。
続いて、オーダーオプションが表示されます。
ここが罠です。トラップです。引っ掛けです(しつこい)
ここで「完全なオーダーコンテンツを含める」を選択して進めた場合、ダウンロードサイズは30.7GB、ファイル数は1004となります。
「サブセットオーダーコンテンツ」を選んだ場合、次の画面でプラットフォーム/OS、プロダクト、言語を選択できます。
つまりいらない部分を削ぎ落として、ダウンロード時間と容量を節約できるのです。
が、以下のようにデフォルトは全てチェック、プロダクト:SAS Foundation プロダクトとなっています。
ここで「SAS Foundation プロダクト」を「SAS Foundation プロダクトとクライアントプロダクト」に変更しないと、一部のプロダクトがダウンロードされません。
一部のプロダクトとは、例えばEnterprise Guide、SAS Studio、SAS Universal Viewer等です。
いやぁ、これにはハマりました。
しかし、まだ油断はできません。
「SAS Foundation プロダクトとクライアントプロダクト」に変更して続行した場合、ダウンロードサイズは16.3GB、ファイル数は845と大きく異なります。
この違いはどこから来るんでしょう…
%let tgt=M7_32_all; filename cmd pipe "dir /s /b C:\SAS\&tgt"; data all; infile cmd; length path $400; input; path=tranwrd(_infile_,"\&tgt.\",'\'); key=_n_; run; %let tgt=M7_32_subset_Both; filename cmd pipe "dir /s /b C:\SAS\&tgt"; data sub; infile cmd; length path $400; input; path=tranwrd(_infile_,"\&tgt.\",'\'); path=tranwrd(path,"9CJNCY_2021-04-12-13.02.23",'9CJNCY'); key=_n_; run; proc sort data=all;by path;run; proc sort data=sub;by path;run; data Allonly subonly; merge all(in=inA) sub(in=inB); by path; if inA and not inB then output Allonly; if not inA and inB then output subonly; run; proc sort data=Allonly;by key;run; proc sort data=subonly;by key;run;
こんな感じで比較してみたところ、
AMO(Add-in for Microsoft Office)、EG(Enterprise Guide)、の単独インストーラ、SMU(SAS Migration Utility)等が出てきました。
うーん、こんなんだったらサブセットオーダーなんてオプションは用意しないで、インストール時に必要なプロダクトを選ばせればいいのにと思います。
補足:日本語ユーザ名の場合、SASが正常にインストールできないのは有名な話ですが、実はSAS Software Depot自体のパスに日本語を含む場合、インストーラを起動できませんのでこちらも注意が必要です。